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エステコラム“ハート&ソウル”玲子プロフィール

Vol.68 - 観相学における「考えるヒント」 -
 

観相学の話を先日ある所でしてきました。
「平日じゃないですか〜行きたかったのに」とか「仕事で日が合わない」とか
「話した内容興味ある。知りたい」とかの話が事前に色々ありましたので、
「今回話した内容をホームページで紹介するから見てね」との話となり、ちょっと内容ご紹介の投稿です。

今回の題名は「観相学における考えるヒント」
題名をつけた時点で私の中では、→感性(考える力)→直感(見抜く力)→選択(生きる力)→(感性へ)このトライアングルだけ決まっている状態でした。
これを生かすのは「印象」という言葉が合うかな・・・との事で印象を裏のテーマとして顔の話を進めていきました。
そして「心と身体と顔は繋がっている」の雑談を交えた顔の話は是非したい。
という事で今回は同じ場所・同じ状況(病気の種類)の方が多い病院での話し。
も加えた話にしようとの事で話を進めていきました。

今回の試として、顔に関しては其々今までの経験からくるご自分の答えをお持ちの方が多い。誰しも顔の専門家なのだから(皆さん生まれてから今まで沢山の人と出会い沢山の顔を見てきている)。
顔を見る際、皆さんが見る見方とは違う方法・ツールを渡す事でご自身の感性(考える力)を使っていただく機会を作ろう。ご自身が知っている顔に関する見方=イメージの重ね付けとは違う見方をしてもらう事から直感(見抜く力)という意味への繋がりを持つキッカケを得てもらおう。
そのような試みがしたいなという思いから派生した内容でした。

知る事→理解に繋がり→認識へと変化する。

観相学を知る事で「色眼鏡をかけないでも人を見る事ができる人」が多くなるといいなとの願いも込めて(笑)の今回でした。

前半ついべらべらと話しすぎて後半時間が思ったよりなく(心の中ではムンクの叫びです)動揺しないように眉を動かさない意識でいよう。と、前半で話していた眉の話を私も実践しながらその場におりました。
〜眉を動かさないとは、何かに同様しそうな時、眉の動きを止めると不思議と心が落ち着く。という所から来ている話をしたのです。その実践なのです〜
後半で時間をもう少し取れたらよかったな・・・の代表が緩和ケアでの会話記録の朗読後の時間でした。
態度と言葉と顔(表情)が変わった例として、普段活動している緩和ケアでの会話記録を朗読の形で紹介したのですね。

何かを感じてもらえる題材となればいいな。との事で。
長いですがここでも紹介しようと思いました。しばしお付き合いください。

下記会話中()が出てきます。
()とはその時の状況・様子などであり、その方が発した言葉ではありませんが、状況を伝える物として皆さんに状況の補足として伝えるものとして入れています。
〜の記号は言わばナレーションのようなものだとお考えください。

2012年2月10日 AM9:40〜10:10頃。約30分の出来事です。

お相手の紹介
Aさん男性。67歳。胃がん。黄疸あり。
余命3ヶ月の宣告を受けているが現在それ以上長く生きている。
先週末本人希望により自宅に帰るが、体調がえらくて月曜に病院に戻る事となり、すぐに腹水を5L抜いたが現在もお腹のハリ感がある。

訪問時の状況:
腹水にてお腹のハリ感あり。腹痛にて麻薬の注射中。
食欲なくえらさあり。右を下に横向けに寝ていた。
寝ている所、施術を行うため確認の声をかけた。

Aさん→男性患者さん。
Bさん→施術者。
Cさん→担当看護師さん。

B1:Aさん。足のマッサージに来ました。どうします? マッサージを受けますか?
A1:(疑心の目で)ああ・・・(じーと観て・・・しばらくして、にっこり笑って)してもらうわ。
B2:(向きを変えてもらい用意をし)ご飯食べてないのですね。
A2:えらいや・・・
B3:えらいのですね。
A3:食べられへん。そやし食べてない。
B5:食べられないし食べてないのですね。
A5:そや・・・。(しばらくして)足の裏はツボが沢山あるらしいな。わしの足、悪いところどうや。
B6:足の裏・・・そうですね。内臓の部分が少し硬いようですね。
A6:そうか・・・(お腹の動きがある様子。少ししてゲップというか吐き気に似た感じで口角横に軽い嘔吐物のようなものが付く。つらそうである)
B7:吐いていいですよ。看護師さん呼びましょうか?
A7:いや。いらん。
B8:(顔の近くにいき)背中さすっていいですか。
A8:(言葉ではなくジェスチャーで)うんうん。
B9:吐くための皿がないですね。辛かったら施術やめましょうか。
A9:大丈夫。
B10:大丈夫ですか。
A10(ジェスチャーで)うんうん。(少し間があり)今までに吐いた事が無い。
B11:Aさんは今までに吐いた事がないのですね。
A11:一度も吐いた事が無い。(少しして)水飲む。氷が欲しい。
B12:氷の方がいいのですね。氷が欲しいのですね。
A12:(ジェスチャーで)うんうん。(本人がナースコールをおす。)
〜看護師が氷を持ってくる間、施術をしていた。〜
〜看護師がすぐに氷を持ってき、声がけし、本人の近くにコップを置くが本人は飲まない〜
〜Aさん看護師に笑いをみせる〜
C13:Aさんどう。マッサージしてもらって気持ちいいでしょ。
A13:気持ちいい。
〜(間があり)Aさんはそれ以上会話をしない。そして次の発語を看護師はずーと待っていたがAさんから発語がでる気配は感じられない。〜
B14:(Bは間の長さを感じ見、発語した)足先も随分血行が良くなりましたよ。
A14:(無であったAさんの次の反応として、手の爪を目を留めて見ていた)手の爪を(待っていた看護師さんに)見せ(言葉は出さず顔で訴えるように手を看護師の方に差し出す)
C15:手のマッサージもしてもらう?
A15:(顔で頷く)
C16:(看護師 Bを見て)
B16:わかりました。足が終わったら手もしましょうね。
〜看護師が部屋を出てから氷水を飲む〜
A17:(少しして)ゴミ箱。水道の下にある分持ってきて欲しい。
B17:水道の下のゴミ箱ですね。(取りに行く。ベット下のゴミ箱の横におく)ここにおいておきますね。
A18:ありがとう。
B18:(背中をさすり)手のマッサージ、しましょうか。
A19:気持ちがいい・・・(少しして)家は2階だし嫁さんも大変だし病院に来た。
B19:おうちは2階なのですね。奥さんが大変だと思い病院にこられたのですね。
A20:やっぱり家はしんどぉて・・・
B20:おうちではしんどかったのですね。
A21:えらい・・・
B21:えらいのですね。
A22:(間があり)たくさんしてもらって・・・わし・・・いやなんでも無い。(急に笑い顔を造ってみせる)
B22:(マッサージも終わり)吐きたくなったら、さっき持ってきたゴミ箱、ここにあるしね。
A23:(ジェスチャーで、うんうん)わかった。ここやな。また来てな。

 

私の感想をこの後紹介しました。その事も紹介しますね。

事前に説明にて看護師に笑い顔で対応されるとの事で部屋に入る。
確かに笑い顔を造られるが辛さを隠して笑い顔を造られポーズとして行っておられるのだな。と思った。
奥様はできるだけのことはしたいとの気持ちだが、やはり言えでの介護は大変で、病院で看護してもらうことで負担が軽減される、本人は家に帰りたいが奥様の負担を考え病院にいる状況。
施術すぐに辛さの緩和のため主治医が麻薬の量を増やし調節の処置にきたが、主治医が部屋から出て施術者と二人の時に「しんどいのは急によくならない、変わらない」というAさんのコメントであった。
だが、何度と腹痛と吐き気に襲われ体調的に辛いはずなのに施術を受け続ける。
そして自身がタブーとされていた「吐く」という行為を自分で認め行動としてゴミ箱を求めた。その行動の一歩がBは嬉しく思えた。
なぜならば、今までとは違う行動を起こすことを「自分で選択し実行した姿である」からである。

ここまでが感想です。
この現場で態度言葉と共にこの方が一番変わったのは顔であり表情。
辛さは変わらないけど「暗→明」に変わったのです。
心が変わる→印象が変わる→態度も変わるに繋がった例を今回紹介させて頂きました。

終末期がん患者に限らず、人生の様々な場面・状況で生きる意味を失い自分に価値をおけなくなる。そのような時を長い人生の「歩」の中には出会う時が人にはあります。
その際、無意味、空虚、孤独、疎外感から生じる苦痛を人は体験します。
ですが、顔が変わるという「きっかけ」で自分からQOLを高めた方を患者さん、そして一般の人も私は何人と見てきているのです。(整形というかたちでのご紹介ではありませんよ)

顔とは本質をつくもの。
命の歩であって表現。
そして顔とはリアリティであり「ただそこにあるものではない」関係を繋ぐものであり思考の原点。

そのような事を途中途中で自分と対話をしてもらう時間をとり、さっき知った事を自分の中で分類・整理・フィードバックをしたり、顔に興味を持ってもらうための時間を設けることで自分の「何か」に対して答えを導いてもらうキッカケを多く取ったの(つもり)です。
なぜならば知りたい人・興味のある人は沢山います。ですがその沢山の人の中で行動に移す人は一握り。その一握りの人達が今回来てくださっているのです。
是非お土産を持って帰って頂きたい。それもこちらから提示したものをお土産とするのではなく、材料を渡し自分でお土産を造りこの時間の中で自分なりの「何か」を持って帰えってほしい。が原点にありましたから。
なぜならば前回は「観相学によるマネージメント」今回は「観相学における考えるヒント」が題材と、前回は提示・今回は自主的発想がテーマの中に入っていましたから。

顔は機会に繋がる事があります。
そして顔は機会を奪い脅威になる場合もあります。
これは言い換えれば自分の強みと弱点を知っていますか。という事です。
知っている上で貴方は「明」の発想ができますか。
そして「今日はこの顔でいくぞ!」の発想をもてますか。
「心がけは顔がけ」ではないですが、ご自身の選択による「明」の発想を持っていただくきっかけと行動で一日をスタートしていただく事には未来がある。
そしてその事を続けていただくことにより自身の運を創りそしてその事は運命に繋がっていく。そんな話をしました。
だって日常生活の8割は自分がなした2割がもたらすのですから。

今回は質疑応答が1時間ありましたから3時間半の時間でした。
このキッカケにより、これから「明」の顔を沢山造っていただける事を願いつつ、もうちょっとクロージングがうまくなりたいものだと課題発見の時間となった今回の講演でした。




  → Vol.69 - アロマとリフレクソロジー(がんセミナーでの話)-
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